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国内のデジタルマーケターは、合計約2万人と推計
リリース 2018.11.20
目次
広告主2,000社で約12,100人、広告会社19社では約7,930人
~ 3社共同でのデジタルマーケター人口推計調査結果より ~
インターネット利用状況を調査している株式会社ビデオリサーチインタラクティブ(本社:東京都千代田区、社長:遠藤 敏之)と、ビデオリサーチグループのデータサイエンス事業会社の株式会社Delta Values(本社:東京都中央区、社長:岩城 靖宏)と、デジタル広告市場を対象領域とする市場調査会社の株式会社デジタルインファクト(本社:東京都文京区、社長:野下 智之)は3社共同で、デジタル広告市場の成長を支える、国内主要企業におけるデジタルマーケターの人口推計調査を実施し、その結果をまとめました。
今回の調査では、デジタル広告の推定広告費上位2,000社の広告主、ならびにデジタル広告市場全体の約60%の流通シェアを占める主要広告会社19社(グループを含む)を対象に、デジタル広告の出稿業務において媒体選定や予算配分に直接かかわる業務従事者を“デジタルマーケター”と定義し、その人口推計を行いました。
なお、国内のデジタルマーケターの人口推計データの公表は、本調査が初めてになります。
<調査結果の主なポイント>
● 2018年の国内デジタルマーケター人口は、広告主2000社と広告会社19社で、合計約20,000人と推計
広告主2,000社におけるデジタルマーケター人口は約12,100人と推計され、このうちデジタル広告費上位300社で35%(約4,200人)を占めている。1社当たりの人数に換算すると、広告費上位300社の大手広告主では平均14人、それ以外の1,700社では平均5人となっている。
また、広告会社19社でのデジタルマーケター人口は約7,930人と推計され、このうち売上上位の大手広告会社7社で79%(約6,250人)までを占めており、大手広告会社1社(グループ)あたりのデジタルマーケター人数は平均900人弱となった。
広告主2,000社と広告会社19社のデジタルマーケターを合算すると、合計で約20,030人が従事しているものと推定される。
【図表1】広告主・広告会社のデジタルマーケター人口
● デジタルマーケターのうち意思決定者の割合は、大手広告主で21%、大手広告会社で6%
デジタル広告費上位300社の大手広告主において、メディアの予算配分やデジタル広告出稿における媒体選定に関し社内での意思決定を承認する立場にある「意思決定者」は、デジタルマーケター全体の21%と、約5人に1人の割合となった。
また、大手広告会社7社における「意思決定者」の割合は、デジタルマーケター全体の6%と、約17人に1人の割合となっている。
【図表2】大手広告主・大手広告会社における意思決定者/業務担当者の割合
● 大手広告主・大手広告会社とも、ブランディングに携わっているのは、デジタルマーケターの7割
次に、デジタル広告の出稿目的を「ブランディング」「パフォーマンス」に大別して、それぞれの従事者数を推計した。
大手広告主では、デジタルマーケター全体のうち、5%がブランディングのみを担当、29%がダイレクトレスポンス中心のパフォーマンスのみを担当し、ブランディングとパフォーマンスの両方を担当しているのは66%と約3人に2人の割合。
大手広告会社では、ブランディングのみの担当が14%、パフォーマンスのみの担当が28%、両方の担当が58%というデジタルマーケターの構成になっている。
つまり、大手広告主・大手広告会社とも、専任と兼任といった濃度の違いはあるが、デジタルマーケターの約7割がブランディングを担当していることになる。
【図表3】大手広告主・大手広告会社のデジタル広告出稿目的別の従事者割合
ビデオリサーチインタラクティブ、Delta Values、デジタルインファクトは、今後もデジタル広告業界の発展に貢献するデータ整備を進めてまいります。
<公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 土橋代幸顧問(株式会社デルフィス常務取締役)コメント>
今回の調査は、意外にも今まで存在せず、貴重なものでこれからの基準指標となるだろう。特筆すべきは、デジタルマーケター約7割がブランディングも担当しているという事実。
デジタルマーケティングに取組み始めてから、広告主も広告会社も人員や体制を試行錯誤で進めてきているが、旧来のマーケティングとデジタルマーケティングの融合が進んでいる現状を表しているのだと思う。
《 調査概要 》
調査方法 |
<調査対象企業の選定> ビデオリサーチグループの広告統計データより2017年推定広告費上位広告主の抽出、及びデジタルインファクト社業界ヒアリングにより対象企業を選定 <各種情報による企業の類型化> 全調査対象企業に対して、媒体別推定広告費・企業情報(業種/売上高/従業員数)などを付与し、類型化 <推定ロジックの作成> 広告主/広告会社とも任意に抽出した調査対象企業に対してデジタルインファクトがヒアリング実施 あわせて、大手広告主を中心に、40社を対象にアンケート調査を実施 これらの情報を基に、調査対象企業における組織形態を加味したデジタルマーケター数の推計ロジック作成 <デジタルマーケター数の推計> 類型化した企業属性・組織形態ごとに推計ロジックをあてはめ、デジタルマーケター数を推計 |
用語の定義 | 「デジタルマーケター」
本調査では、以下の①~③の条件を満たす者を「デジタルマーケター」と定義 ① 広告主/広告会社の特定の組織/部門に所属している 広告主:広告宣伝、マーケティング、販促、ハウスエージェンシー など 広告会社:デジタルメディア業務推進、メディア担当、メディアレップ、プランニング など ② デジタルマーケティング領域を主要な業務として担当 ③ デジタル広告=ペイドメディアの出稿に直接関わっている <ブランディング/パフォーマンス> 「ブランディング」 企業または企業の製品・サービスの認知向上や理解促進、ブランドリフトなどを目的に広告出稿を行うこと。デジタル広告の出稿においては、KPIを主にCPMやCPVなどに設定。 「パフォーマンス」
企業の製品・サービスの直接的な購買を目的に広告出稿を行うこと。デジタル広告の出稿においては、KPIを主にCPCやCPAなどに設定。 |
<株式会社ビデオリサーチインタラクティブ>
株式会社ビデオリサーチインタラクティブは、インタラクティブ領域におけるメディアの媒体価値や広告効果を最大化・最適化するための業界標準データやソリューションを提供し、企業のコミュニケーション活動をサポートしています。
インターネットオーディエンス測定事業、広告統計事業、広告効果測定事業を軸に、1999年より活動しています。
<株式会社Delta Values>
株式会社Delta Valuesは、2018年4月に設立されたビデオリサーチグループのデータサイエンス事業会社です。
メディア/コミュニケーションデータ領域を中心にデータ解析~ロジック/エンジン作成~ツール構築をワンストップで提供し、データを活用した企業の事業支援を行っています。
<株式会社デジタルインファクト>
デジタル広告市場を主な領域とする市場調査機関。2016年4月に株式会社シード・プランニングの専門子会社として設立。
デジタル広告市場に関連する市場統計データの作成、メディア運営、調査レポートの発刊などを手掛ける。
■本件に関するお問い合わせ先
株式会社デジタルインファクト
電話:03-6821- 5256 FAX:03-3831- 0495 メールアドレス:info@digitalinfact.com
〒113-0034 東京都文京区湯島3-19-11湯島ファーストビル4F URL:https://digitalinfact.com/
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調査主体
株式会社 デジタルインファクト
1983年設立の市場調査会社株式会社シード・プランニングのグループ会社として2016年に設立された、デジタル広告業界を主な領域とする調査機関です。
日本のデジタル広告業界に関する様々な市場規模を算出している市場調査事業の他、アドテクノロジー領域をテーマにしたWebメディア、ExchangeWireJAPANの運営も行っています。
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