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社内SNS サービス国内市場規模は、2014 年に26 億円の見通し。2017年に44億円に拡大と予測
リリース 2014.11.25
目次
株式会社 シード・プランニング(本社:東京都文京区 代表取締役 梅田佳夫)が運営する、デジタル領域専門の市場・サービス評価機関、デジタルインファクトは、「社内SNSサービス(*)」に関する市場調査を行い、このほど、その結果をまとめました。
一般ユーザー向けのSNSが幅広く普及し、ユーザーによるオンラインコミュニケーションの一定規模がSNS上で行われることが定着しつつある中で、従来メールが中心であったビジネスにおけるオンラインコミュニケーションのありかたも、変化がみられつつあります。
社内SNSは、2000年代後半より大手企業向けのオンプレミスサービスを皮切りに普及が始まり、その後手軽に利用可能なクラウドサービスが国内外事業者を通して提供され、その利用が緩やかに広がりつつあります。
これにより、社内SNSサービスの利用は、大手企業のみならず中小企業における利用も進んでいます。
デジタルインファクトでは、今後も普及が続くと見込まれる社内SNSサービスに関する現状動向を調査し、2017年までの市場規模の予測を行いました。
調査結果のポイントは以下の通りです。
調査結果のポイント
■2014年の社内SNSサービス(*)の市場規模は、26億円と推計。
2014年の社内SNSサービスの市場規模は26億円(対前年比129%)と推測されます。
様々な業務目的に合わせた高価格帯でカスタマイズされたサービスの需要が堅調に推移しました。また社内のコミュニケーションの活性化を目的とするシンプルで低価格なサービスのほか、ビジネス向けアプリケーションと連携した、業務上のコミュニケーションの効率化が図れるサービスの需要も順調に拡大を続けています。
スマートフォンやタブレットの普及に伴い、従来業務オペレーションにおいてオンラインディバイスを活用していなかった小売業や飲食店などのサービス業や製造業などの新しい需要が生まれています。これらを背景に、2017年の市場規模は44億円に達することが予想されます。
■ 国内社内SNS サービス市場の構造はサービス特性に応じて大きく二つに分類
社内SNSサービス市場は、大きく二つの市場で構成されています。
一つ目は、主に業務推進に利用されるポータル型社内SNSサービスにより構成される市場です。
ポータル型社内SNSサービスは、他の業務用ソフトとの連動を想定したものや、導入企業において全社員が利用することを想定したサービスとして提供されています。当該市場では、大手企業を中心に導入され、金額ベースにおける社内SNSサービス市場において大きな割合を占めています。
二つ目は、主に社内の部署やプロジェクトメンバーなどのビジネスユニット単位で、コミュニケーションを促進や情報共有をすることを目的に、少人数からの利用が可能なコミュニケーション促進型社内SNSサービスにより構成される市場です。該当市場では、中堅・中小企業や、大手企業内の営業、人事などの特定部門・部署や、店舗などを中心に導入されております。各サービスは基本利用料が無料でオンライン上から申し込みが出来るなど、気軽に利用出来る形態で提供されており、1アカウントあたりの利用料金が比較的低額であることから、トライアルユーザーを幅広く獲得し、近年の社内SNSサービス普及拡大の原動となっております。
■市場の今後
社内SNSサービスが今後更に普及拡大をするためには、導入する企業の導入目的の明確化と業務への活用促進、そしてユーザーが社内SNSに対してメールやグループウェアにはない利用価値と目的を見出すことを後押しするために、業者側から実例に基づいた利用シーンのより積極的な提案が求められます。
一方、コミュニケーション促進型社内SNSサービスは、従来のサービス対象範囲である社内にとどまらず、社外の特定の関係者ともコミュニケーションを図ることが出来る機能を持ち、メールに代わるビジネスコミュニケーションツールへと変化していく可能性が注目されます。
社内SNSの普及が進む一方で、社内SNS導入後の継続期間が短期間で終わるケースも顕著にみられています。また、2004年からビートコミュニケーション社によりスタートした業務推進・ポータル型社内SNSサービスは、2011年頃からSalesforceやYammerなど海外の事業者の国内参入が続き、数多くのサービスが提供されてきました。この数年の動きでは、ソーシャル機能の業務活用や社内ポータル化が進んでおり、今後の動きではスマートテクノロジーとの連携が注目されています。
このような取り組みが市場全体で進むことにより、今後も現在提供されている社内SNSサービスは、①事業者の業種や業務用途など細分化されたニーズに即した高価格水準のサービス、②特定の業務用ソフトとの機能連携を強化し、業務用ソフトとのパッケージ化されたサービス、③シンプルな機能による使いやすい低価格なサービスという三つの方向性で棲み分けを図りながら、サービス機能や利用者の対象範囲を社内から社外へと拡大させながら、着実に普及していくことが予想されます。
(*)本調査における社内SNSサービスの定義
SNSの仕組みや機能を社内向けに応用して提供されており、かつHP上で社内SNSサービスとして訴求されているサービス。
情報共有やコミュニケーションの効率化をはかり、グループによる協調作業を支援するグループウェア、およびチャット機能に限定したサービスは含まない。
調査概要
・調査対象
社内SNS サービス市場
・調査方法
社内SNS サービス事業者への訪問ヒアリング
調査主体ならびに調査期間が保有するデータ、Web 等公開情報収集等
・調査期間
2014 年8 月~2014 年10 月
デジタルインファクトは、デジタル領域における注目される市場やサービスを独自の視点で調査、分析、評価を行い、その結果を公表してまいります。
お問い合わせは
株式会社シード・プランニング デジタルインファクト
〒113-0034 東京都文京区湯島3-19-11 湯島ファーストビル4F
担当:野下(のした)、米谷(こめたに)
TEL:03-3835-9211 FAX:03-3831-0495 Mail:info@digitalinfact.com
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調査主体
株式会社 デジタルインファクト
1983年設立の市場調査会社株式会社シード・プランニングのグループ会社として2016年に設立された、デジタル広告業界を主な領域とする調査機関です。
日本のデジタル広告業界に関する様々な市場規模を算出している市場調査事業の他、アドテクノロジー領域をテーマにしたWebメディア、ExchangeWireJAPANの運営も行っています。
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