お客様の声
先進領域を独自に定義し、市場の成長性と自社ポジションを確立する
翔泳社様
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実施サービス
- ・共同市場調査
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事例リンク
- ・マーケティング最新動向調査 2021・2022(2021年・2022年)
- ・EC市場とテクノロジー活用最新動向調査2015-2016(2016年)
- ・ デジタル広告市場の最新潮流と現状動向分析調査(2015年)
企業のマーケターや、広告・マーケティング業界関係者のだれもが日頃親しんでいる『MarkeZine』を筆頭に、10の領域でWebメディアを運営する翔泳社。同社では2015年に『デジタル広告市場の最新潮流と現状動向分析調査』という調査資料をデジタルインファクトと共同で刊行。その後、MarkeZine、ECzine、SalesZineのブランドを活用した調査資料を刊行し、事業の拡大を進めている。
デジタルインファクトは、共同調査先として調査レポートのアンケート調査設計や一部の執筆において制作支援を行ってきた。
BtoBの様々な領域でメディアビジネスを手掛け、調査事業に携わる立場として、また、メディア編集者の立場として、共同調査をどのように見ているのか。
前MarkeZine編集長であり、現在は翔泳社の全Webメディア事業を束ねるメディア部門メディア編集部 部長/統括編集長 押久保 剛氏にお話を伺った。
共同調査を実施するに至るまでの背景をお聞かせください
当社が調査レポートの作成で、初めてデジタルインファクトさんと最初にご一緒したのは、2014年(発刊は2015年)でした。
当社は出版社ですので、デジタルインファクトさんが他の事業会社さんと取り組まれているようなタイプの共同調査とは目的が異なります。調査データをPRに活用するというよりは、自社サービスを拡充していきたいというように考えていました。
当時MarkeZineはWebメディアとしてそれなりに業界内でブランド力が高まってきており、このブランド力を活かし、何か新しいプロダクトを作っていこうということになりました。2016年1月に発刊した定期月刊誌の「MarkeZine」もその一つです。そして同時に調査資料を作ってみたいという考えがありました。以前より同業の出版社さんが、調査資料ビジネスを手掛けていることについて、社内で情報共有を受けておりました。
当社が出版社として手掛けてきた市販の書籍の価格は、高くても数千円程度です。ですが調査資料は一般的な価格設定が10万円前後のものなど、法人向けの高単価なものが一般的であり、当社が保有するデータベースを有効に活用すれば、高単価な資料を販売できるのではないかという目論見がありました。
ただ一方で、当時は調査資料を作るというノウハウがなく、デジタルインファクトさんの知恵をお借りしたいということで、ご相談したのがきっかけです。
調査資料は新しいビジネスとして位置付け、まずはMarkeZineで実施してみて成功したら、他媒体でも同様の取り組みを横展開させて、それなりのスケールの事業に出来るのではないかという構想を描いていました。
調査を実施したことでどのような成果が得られましたか?
調査資料という弊社として新しいプロダクトを立ち上げることができました。
お陰様で調査資料の作り方を理解することが出来、ノウハウも蓄積されてきました。当社が持つテータベースを活用して、一つの調査資料として形にできるようになりました。
共同調査を成功させるうえでのポイントをお聞かせください
質問項目の設定を含めたノウハウや業界に対する知識や理解を持っている調査会社をパートナーとして選定することにあると思います。それにより、私たちの調査レポートの内容における広がりや深みを持たせることが出来ます。この点はデジタルインファクトさんならではの強みではないかと思います。
次に、メディア編集者のお立ち場としてお聞きします。どのようなケースにおいて、共同調査を実施することを勧められますか?
メディア編集者の立場でいうと、まだ全体像が良く見えていない市場を対象としたものが良いと思います。市場規模がどのくらいか、またその市場にどのようなプレイヤーがいるのか、そしてどのような構造になっているのかということが、俯瞰されて明らかになるような情報が望ましいです。
先進的でまだ明らかになっていない領域を独自に市場として定義し、その市場が5年後にどのくらいの規模感になるのかを企業が共同調査する取り組みは、メディア編集者の立場からすると興味深い情報です。
あるいは独自の市場を定義し、その市場で自分たちがNo.1であることを明らかにするような取り組みも、企業のマーケティング戦略としては上手だなと思います。もちろん、実態として相当する市場シェアがなければ、そのような取り組みをすることも難しいので、事業の成長と整合性を持たせる必要があります。
それを前提とすれば、共同調査というものは企業が自社で取り組んでいる事業領域やその市場成長を広く世の中にPRする手法として、大変有効ではないでしょうか。
例えばサイバーエージェントグループさんが長年出されている動画広告市場の調査結果などのお取り組みは、大変上手だなと思います。自分たちが市場を作っているというメッセージを、共同調査を使うことにより、より印象づけることに成功してるのではないかと感じております。
また調査データというものは、比較的中立性を伴ったコンテンツであり、また共同調査ということであれば、企業単体での情報よりも、第三者の意見も含まれたものであることから、取り上げる対象にもなりやすいです。
まだだれも手を付けていない成長領域をうまく括って、デジタルインファクトさんと共同調査をして、市場形成を担っているリーダーであることをPRするというのは、上手いマーケティング施策だと思います。
私がもし企業のマーケティング担当者であれば、マーケティング目的での共同調査を実践してみたいですね。今であれば「〇〇テックのA社」というようにメディアへの印象付けに成功すれば、後日メディアから取材のオファーが来る可能性も十分にあります。
このとき「どこに刺すか」ということがとても重要になってくるでしょう。出来上がっている市場をテーマにするのではなく、これからできる市場をいち早く定義して調査するという視点が、とても大切になってくるのではないでしょうか。
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